中山マスタープロフィール![]() 46才男性 ・役職 マスター ・血液型 O型 ・出身 音更町 |
発想が同じであれ、違っていても、同じ名前が付くことはある。ヨーロッパや中東は聖書やコーランからの名前が多いと聞くので、すると必然的に同じ名前になってしまうことはある。日本では昨今、他人と違うものという親の願いから非常に読みづらい名前の子供が増えている。もう少し読みやすさとかも考えようよ。仏太、とかさ。(笑)これはお店の名前ではありえない。個性は出したいけど、名前見ただけだと何屋かわからないというようでは本末転倒だからだ。何をしてるところなのかわかりやすくしようとしたら、そのものを名前に入れるか(カレー修行場なら、〜カレーとかね。)、関連性のあるものを名前にするか(カレー修行場ならスパイスの名前とか、インドの地名とか。)あとはマスター(オーナー)の名前そのものを使ってしまうとか。すると、だいたい似たり寄ったりの名前が出てきてもおかしくはないのだ。同じ名前の時はトラブルになるケースもある。法律的なことは詳しくないのだが、同じ地域で同じ名前を名乗るのはよくないらしい。(この地域っていうのもどの範囲なのかは知らない。笑)カレー修行場でも、もめているケースがあるというのは聞く。一度決めてしまうと、その後変更しようとしたら、認知度の問題、看板・メニューなど諸経費の問題など、沢山の問題を抱えることになり、ダメージは大きいだろう。それに最初に決めるときに思い入れというものがあるだろうし。![]() ![]() 移転をしたのは駐車場の問題が理由の一つだ。以前の修行場は、帯広市西1条南26丁目にあり、横長のアパートの1階部分に色々なお店が入っているという形態だった。天竺の駐車場は2台分しかなく、並びの店や上の住人と駐車場トラブルが時々あって大変だった。地元に戻ることと駐車場が広いことなどを条件として探して見つけたのが今のところだ。今のところは前はパスタとカレーの店だったそうだ。(仏太はそのあたりは詳細は知らない。)以前と違って、かなり広く大きくなった。(駐車場だけでなく中も)一人では大変。が、いっぱいになることはめったになく、沢山来る土日もタラタラという感じ、と笑う中山さん。いっぺんに来られても作るペースは変わらないから、しょうがないとも言う。20席くらいあるので、スタッフ一人では普通回らない数だ。それでも中山さんの人柄や実力か、常連さんの人柄か、大きなトラブルにはならずやっていると。 メニューを見ると、カレーでなくカリーと表記されている。「カリー」という名前は、普通のカレーとは違うんだよ、という意識の表れでもあるのだが、恥ずかしく思うときあり。十勝(音更)出身の中山さんは、例にもれずインデアンが好きだった。スープカレーと出会って、インデアンじゃない世界を知った。修行場を開くにあたり、カレーライスじゃないカレーを提供する意味でカリーとした。十勝にはまだスープカリーを食したことない人が沢山いるだろう。でも、やはりスープカリーもね。(笑)ということで、カリーという名前を使っているそうだ。(わかりにくいかな?笑)(注:十勝以外の方々はわからないかもしれないが、インデアンは十勝のソウルフードとも言うべきチェーンカレー店なのだ。) メニューをもう少し見ると、一つだけ異種なものがある。スープカリーじゃないカリーが一つ入っているのだ。なぜキーマカリーだけ1種類だけスーカじゃないのだろう?キーマカリー(道産豚とひよこ豆のキーマカリー)は、インド旅行の経験がある中山さんが覚えた、現地のレシピに従ってる。「スープカリーだけなの?」という修行者がオープン当初多かったこともあり、それに対応したものでもある。しかし、実際はいろいろと種類を作るのは大変。ルーカレーも作ればいいのかもしれないが、そこまでは流石の中山さんも手が回らない。が、少しでもルーカレーを望む修行者へのサービスの一環として考えられた。そのキーマカリーはたまごトッピングで顔を作ってくれたことがある、結構お茶目な中山さん。 ![]() ![]() さて、スープカリー。仏太の周りでは、以前はスープがしょっぱいと言う人もいた。しかし、そういう風に言っていた人でも、最近は食しやすいという人が多い。実は中山さんはスープのマイナーチェンジなど日々工夫をしている。この前の(ダブルスープにしたこと)は中山さんの中ではメジャーチェンジだそうで、全然マイナーではないそうだ。05年にイカスミを使った黒カリーが出た。これはイタリアンからヒントを得たものでだからオリーブオイルをたらしたりしてる。常連さんに魚介系をやってと言われ、スープも変えようと一大決心したのが始まり。これはレギュラースープにプラスされたので、この時点でスープは2種類となった。09年には鰹出汁スープを加えたダブルスープにメインスープを替えてる。スパイスの仕入れ先を替えたりしたことはあるけれども、スープ自体を大手術したのは初めてと。常連さんの中には前の方がよかったと言っている人もいるようだが、中山さん自身は美味しくなったと思うと。そりゃそうだ、そういう自信がないと変化したものを出すことはできないだろう。常連さんで極端な人は離れてしまったらしい。が、老舗で味を守るというようなところではないから、と新しいスープにも自信が覗かれた。メインを2種類のスープにするのは無駄が出るのが嫌でしたくない。やはりスパイスを使っていることもあり、作ったその日が一番美味しい。それを翌日回しにはしたくない。いつも60点くらいのものを出すというようにはしたくない。自己満足的なのだけど。でも、そういうこだわりが修行場を支えているのだとも取れるし、実際そうなのだろう。 ![]() ![]() 野菜は、買う以外に、自家製のものもあり、知り合いの農家さんからもらうこともある。以前の零余子(むかご)は知り合いから手に入れた。7月のマンスリー(木野産夏野菜のカリー)はそれこそその都度具材が変わっている。常連さんしかわからないか?自分も楽しいかも、と嬉しそう。 野菜に限らず、具の上品な盛りつけは、見た目、彩りを意識しているという。予想通りだった。以前、デザイン関係の仕事だったこともあり、見た目には敏感なのだろうな、と仏太は感じた。勿論、どの修行場も盛りつけは気にしてる。が、繊細さを感じるのは、ここShambhara天竺が一番だろうと思う。また、具の大きさはスプーンで全部食せるというイメージで作っている。食しやすさ重視。それを聞いてなるほどと思った。 常連さんは、実際いつも決まったメニューを頼むことが多く、そのほかに手を出すことが少ない。新規の修行者はそれほど来てない。逆に言うとそれは常連さんだけでもっているということだから、凄いことだな。帯広時代の常連さんは土日に集中して来る傾向があるので、土日は忙しくなる。平日は暇。(笑)だから、だいたいラストオーダーの時間を目指して仕事を終了しようとしている。なるほどな。メリハリのある充実した仕事だ。 マンスリーを始めるきっかけは、そのときにやる気が出たのかな、と。(笑)下にマンスリーカリーの一覧があるが、08年11月に始めてる。その時期その時期で面白い具材があり、それが生かされている。まだ、十勝のカレー修行場ではマンスリーカレーという概念は少ない。なんでも具材として使えるスープカレーの利点でもあると思う。マンスリーはそのうち前にやったものに戻る可能性あり。8月はココナッツベースで音更産の野菜のカリーにしたいと。(お話を聞いたのが7月、そして、8月実際にそうなった。) 09年8月 音更産夏野菜の椰子の実カリー 09年7月 木野産夏野菜のカリー 09年6月 時鮭と十勝マッシュルームのカリー 09年5月 アスパラとイカのカリー 09年4月 竹の子と鶏とネギのカリー 09年3月 春キャベツとベーコンのカリー 09年2月 ラムとひよこ豆のキーマカリー 09年1月 アンコウの唐揚げカリー 08年12月 シャンバラ黒ラムカリー 08年11月 シャンバララムカリー ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 辛さは、カイエンペッパーを主体としそこに3種類の唐辛子系のスパイスを合わせたもので調節しているそうで、10倍からピッキーヌが入ってくる。中山さんは5倍くらいが一番美味しいと感じる。仏太は最近20倍前後を頼んで楽しんでいる。(美味しくいただいている。)ただ、あまり辛くなるともうマニアックな世界だ。OCTVでも取り上げられていたが、辛さは際限なくできて、今まで最高は50倍だったとのこと。スープカリーというよりは、粉カリーとなってしまう。(笑) 流石プロで、お米にもこだわっている。カリーにご飯(ライス)ははずせない。中山さんは、紫苑米という減農薬の米(南富良野で作ってブランド化しようとしているななつぼし)を使っている。Shambhara天竺のカリーに最も合うと判断したからだ。ライスのことはあまり気にしたことはなかったが、毎回同じように気にせずにいられるということは、同じ炊き具合だと言うことで、修行場としてはそれが当たり前かもしれないが、修行者にそれをわからせないというのもプロだなと思うことの一つだ。それはまるで空気は存在するのに、普段は意識しないのに似ている。 ![]() ライスと並び、カレーの時に食すことが多いものの一つにナンがある。インド風のパンなのだが、実はインドでは普通に食されているわけではない。パンの類で多いのはチャパティだと聞く。チャパティはまだ日本ではそれほど一般的ではないが、ナンはかなり広まっている。そのナンをShambhara天竺でも出している。ナンはインドで食して美味しいと思い、中山さんは自分で納得するものを出している。客層が別のところを狙っているのだが、10人に一つ出るかどうか。なかなか難しいようだ。ナンは十勝でもいくつか出しているところがあるので、食べ比べも面白いかも。 ![]() ピクルスは自家製。時期はあるが、なくなり次第作っている。キュウリ人参などを中心にこれも食べやすい大きさだ。味付けも癖がなく、すんなり口に入る。カリーの添え物として非常にいいので、毎回オーダーしたいくらいだ。 ![]() 飲み物は、アルコールも置いているが、ソフトドリンクも充実。チャイが色々あるのはやはりインドへ行っていた影響。チャイやラッシーは以前の帯広時代から置いていた。瓶コーラもある。瓶の方がビジュアル的にいい。さすが以前デザイナー関係。時々そういう台詞が出てくる。このあたりは仏太と感覚が違うので参考になる。この前まであったエスプレッソがなくなって残念。最初はカフェ形式にして、いろいろなお客さんに入ってもらおうとした。(ここはあえて修行者と書かない。笑)ケーキもおこうと思っていた。しかし、あまり頼む人がいないのと、エスプレッソマシーンが壊れて、諦めてしまった。カフェ化計画が頓挫してケーキも計画段階で潰れた形になった。エスプレッソマシーンで入れたエスプレッソコーヒーを一度飲んだがやはり美味しかった。経営的なことがあるので、わがまま言えないが、仏太は個人的には復活希望。(笑) チャイなどを頼んだときにでてくるカップがまた味がある。中山さんの知り合いの陶芸家に「天竺のイメージで」とお願いして特別に作ってもらった物だそうだ。北大路魯山人は食べ物は器も大切だというようなことを言っていて、Shambhara天竺のカップを見るとそれを思い出す。飲むときに手で触り、唇があたり、飲むときの感触、そして、チャイが喉を通っていく。その一連のことが、落ち着きに繋がる。カリーでじんわりとかいた汗が更に多くなるのだが、それさえも心地よく感じる一時になるのだ。 ![]() インドでチャイを飲んだ後器を地面にたたきつけて割ってしまうことがあるのだが、それを割らずに持ってきたものがありそれを飾っている。インテリアも、レトロなものや東南アジア系、インド系、アンティークな感じで味わい深い。中山さんが自分で集めたり、人からもらったり。一人の修行者は一度ゆっくりと見回してみると、どの席に座っても沢山の小物類があることに気付くだろう。電話ダイヤル式をこの前まで使っていた。現在、故障して修理中。結構古いので修理も大変。どこにあるかわかるかな? ![]() ![]() ![]() 詳しい人が格安ででパソコンを組んでくれた。それまでは全くコンピュータとは無縁だった中山さん。樺沢さん(かつてのスープカレー界の大物)が最初来ていたけど、サイトを見る術がなく知らなかった。ネットの世界を知らず、活字にならないと人が評価していることがわからなかった。自分でサイトを開いたときも携帯で見れるようにと軽くしたくらいだ。そのため今でも画像が今一という。一度作ると再度作り直すのが面倒でそのまま続けていると。(笑)サイト管理人としてはそれわかるな。そんなパソコンもスタイルという位置づけで見ているところもあり、それであれば、WindowsよりMacがいいと思ったそうだ。それでインテリアの一つとしておいている。修行場内を見渡すと、なんとなく統一されたスタイルがあり、それはまさに中山一郎ワールドなのだ。 そのワールドの中で、中山さんは一人でやっているためか、必ず土日祝日も中休みしっかりとり、休憩することでディナータイムでまた頑張っている。バイトを雇うが、スタッフを雇う気はとりあえずなさそう。性格に問題があり(笑)、人の上に立てないし、人の下にもつけない。教えるのは難しい。自分の目の届かないところで、自分のもの(カリー)が出るのは嫌。全て自分の目が届くところにないとダメだという。そのあたりはプライドと自信が見え隠れする。 ![]() 中山さんの最初の仕事はデザイン関係。また、高校生の時に横尾忠則というデザイナーに感化され、インド好きの影響を受けた。インドへ91年28才の時に仕事を辞めて行ってる。ビザの関係で3ヶ月までしかいれなかったが、制限がなければもっといたかったというくらいどっぷりはまってしまった。(インドでの写真は、Shambhara天竺公式サイトからリンクが貼られてる。1991年インド旅参照。)実際に飲食の世界に入ったのは23歳の時で、周りの人達から見たら遅いと思う、と言うが、カレー界は結構遅い人いるような気がするなあ。 地元でカレーをやりたいと思い、10数年ぶりに十勝に戻ってきたら、アウェイ状態だった。十勝に残っていた人達は固まって「あれ、帰ってきたんだー?」という感じで、中山さんは「あれ?また一から人間関係始まるの?」という感じだった。それですぐにオープンするわけにも行かず、飲食店を転々としていた。で、それからオープン。自分のカレーは既に札幌にいるときに完成していた。札幌の影響がでかい。インド旅行の影響がかなり強いのかと思ったら、意外にそうでもないらしい。インドでは厨房に入るなら金を出せと言われたりもした。また、見せてもらっても「うちの決め手はChinese saltだ」と言って見せてくれたのは味の素だったりするシェフもいてあまり参考にはならなかったと。 今でも年に2〜3回札幌に行くことがあるが、修行場の休み水曜と第3木曜日が連休になる時を利用して行ってる。その時、ヒントをもらってくるのかと思ったら「う〜〜ん」という答え。自分のところとは違うので、取り入れるわけではない。たぶん頭が硬い。自分自身がちょっとずれていると思う。時流に乗ってないというか。ということで、ある程度参考にするのかもしれないが、やはり中山さんご自身のスタイルがあり、筋が通っているのだ。札幌に行くのはリフレッシュしてくるためであることが多いみたいだ。 ![]() 仏太が初めて行ったのは、まだ帯広にあった01年10月14日だが、今はメニューにない涅槃カリーを頼んでいる。この時の美味しさの衝撃は忘れられない思い出の一つだ。中山さんと話をするようになったのは、もっと後になってからで、その間も何回か行ってるのだが、仏太は基本的に名乗らないので、中山さんも知らずにいた。07年7月にShambhara天竺7周年のTシャツを買った。その時に自己紹介をして、少しずつ交流が始まったのだった。中山さんは元々人の顔は覚えにくいそうで、人と話すの苦手。なんとなく雰囲気でそれわかる。だから、以前に修行に行ってるときのことは全く覚えてないそうだ。まあ、そりゃそうだ。仏太も目立たない顔してるし。(笑)(十勝荒修行07年7月参照。) その後、1年経って仏太が十勝に来ることになり、中山さんもかなり歓迎してくださった。ブログをよく見てくださっていて、修行に行ったときに、話のネタになることもある。音楽の趣味が似ていたり、お酒が好きなところが同じだったり。ただ、飲むアルコールの種類は少し違うようだ。今度一緒に飲みながら、更に色々と話を聞きたいものだ。また、グルメでもあり、カレー以外のところにもよく行ってる。以前教えてもらったところに仏太が行くこともあれば、仏太が教えて中山さんが行ってみることもある。お互いに情報交換をしてる。カレー修行場は何度か行ったらもう行かなくなる傾向。(他の修行場の人達もそういう感じがする。根本さんは違うみたいだけど。笑)中山さんの選択は仏太にはあまりないところなので、とても参考になる。が、修行がいつも優先されてしまっているので、なかなか行けてない。教えてもらったところで行ってないところ、そのうち行きたいな。 こんな風に、中山さんと話していたら、話題が尽きない。これ以外にも沢山の話をしたが、削ってもこんなになってしまった。(笑)まだまだ今後もお付き合いしていくうちに、色々なお話を聞けると思うが、今回は時間だ。お忙しい中、本当に沢山のお話ししていただいた。恐らくこのコーナーの恒例となるのだろうが、最後に将来の目標を聞いた。 ゆくゆくは田舎へ行きたい。日が沈むのを見ながら仕事をしたい。 太陽と共に生活するのかと思って聞いたら、朝は弱いので朝日は無理。(笑)また、自給自足くらいまでいっちゃうのは無理。(笑)音更の田舎に行きたい。目をつけているところはあるのだが、まだ先の話になりそうだと。20年以上もそのままになっているところがある。将来、田舎道を迷いながらたどり着くShambhara天竺に出会えるのかもしれない。楽しみだ。 |
参考サイト・ブログ シャンバラ天竺の公式サイト GReeeeN公式サイト PENGIN公式サイト 横尾忠則公式サイト 1991年インド旅 |
修行場データ Shambhara天竺(シャンバラ天竺) 音更町木野西通12丁目1-4 0155-30-6617 http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=16tenjiku 11:30-14:30LO, 17:30-20:30LO 水曜、第3木曜休み (修行場・十勝「シャンバラ天竺」参照。) |
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